策楽なつき

お空の果てから電波を飛ばしています

走れメロス メロセリかセロメリかを考える。

 走れメロス。この作品を腐女子ボーイズラブが好きな女)が読むとこうなったという話をしよう。
 注意書き
・リバ、逆カプの許せる方のみお読みください。
・これは個人の趣味趣向が混ざっているものです。
・私はどちらかというとメロセリです。
・本当になんでも許せる方向けです。

 走れメロスという作品。私は腐る前は面白い作品で、メロスやセリヌンティウスはいい人で、邪智暴虐の王ことディオニスは悪い人。そのような認識でいた。だがしかし、私はBLというものを知った。その世界を知った。BLの世界の美しさや、それゆえの残酷さも知ってきた。愛おしいものである。大好きな存在ゆえの大切の仕方が様々である。
 私の中で、自身のアイデンティティの形成に大いに貢献してきた文化である。

 私は立派な腐女子になった。自身でBL作品を創作し、たくさんの本を読んだ。その上でセリヌンティウスが受けか攻めか、メロスが攻めか受けかという話をしよう。
 私はメロ×セリだと思う。
 私は推しカプには幸せになってもらいたいと常々思っている。だから、結婚してほしいのだ。結ばれてほしいのだ。永遠に一緒にいてほしいのだ。極端なヲタクでごめん。同じお墓に入ってほしい。来世でも仲良くしていてほしい。その感情が大いにある。
 仮にセリヌンティウスがメロスの方に嫁いだとしよう。そうすれば妹夫妻はきっと喜んでくれるし、妹とエプロンをつけて料理をするセリヌンティウスちゃんが見られるかもしれない。考えてみてほしい。メロスの妹と料理をしてメロスに「あーん」をするセリヌンティウスを。可愛いと思わないか?
 その妹ちゃんから教えてもらった料理を家で実践して、帰ってきたメロスに振る舞いたいと。その時に(ごめん、俺の中では妹ちゃんは生粋の腐女子である)「セリ兄、もしお兄ちゃんが帰ってきたら、『ご飯にする?おふろにする?それとも俺?』って聞くんだよ。この料理は多少冷めても美味しく食べられるからね!」
 と入れ知恵をしてくれるはずなんだ。そしてそれを実践しているセリヌンティウスくん可愛いと思いませんか?メロスがしても可愛いとは思います。ですが、考えてみてほしい。メロスは妹ちゃんのことが大好きである。ということはメロスは妹ちゃんが腐女子であり、もしかしたらそういう作品を読まされている。その可能性はなきにしもあらず。となれば、そこに恥じらいが生まれてしまうのです。こうすることによって、もしかしたらそういうことが始まるかもしれない。と。
 その点、このセリヌンティウスという男。きっと彼は「友達だった」メロスの言葉を信じてしまうほどのピュアっピュア人間である。そして健気である。そんな知識は少ししか知らない(という妄想をしている)はずだ。特に男性同士でできるのか。そこから疑問に思っていそう。そこが可愛い。私の中ではキスすら顔を真っ赤にしながら頬に一瞬しかできないような男。だが愛情表現だけはしっかりとする。好きだの愛しているだの日常の細やかな部分で言うような人間なのだ。(私の中では)
 メロスの誘い受けで教えまくるというのもいいシチュエーションではある。私には攻めにはリードしていて欲しい気持ちがある。だからメロス、君には攻めでいてほしい。

 たまにメロスは自責の念に駆られる。あの時自分が少しでも遅れていたらどうなっただろうと。セリヌンティウスを失っていたかもしれない。セリヌンティウスの寝顔を見ながら思うのだ。頭を撫でると少しだけ広角の上がる彼を、たまらなく愛したいと思うのはやはりメロスの方だと思う。こういう攻めの姿勢を感じてしまう。一つの恥じらいもなくスマートにキスをして目を閉じ眠りにつく。それが似合う。

 そして永遠に結ばれる、結婚の観点からも語っていく。
 いつの時代も変わらず問題となっているのが義実家への関わり方だ。義実家の関わり方は男女であっても難易度が高いとされている。男性同士であれば尚更だ。ここでは「走れメロス」の作品内で同性婚が認められた世界である。と言うことを前置きし話を進めていく。
 まず、無事に付き合うことのできたメロスとセリヌンティウス。お互いに意志が固まり結婚をする運びとなった。そこでどちらが嫁になり、どちらが旦那になるかだ。私は考えた。どちらが義実家と良好に生活をすることができるだろうかと。そこでひとつの疑問が生まれた。
 『セリヌンティウスの親は果たしてメロスと結婚することを了承するだろうか。』
 という問題だ。メロスは確かにセリヌンティウスに対し酷い行為をした。それはメロス自身もわかっていることだ。セリヌンティウスは許した。だが、身内は気が気じゃなかっただろう。そこの意見も汲み取ってみた。すると、ここはメロスが一生セリヌンティウスに不自由はさせない生活を約束し、安全な寝床、満足のいく食事をさせることを誓うべきなのではないかと。となればメロスが旦那になった方がいいのではないかと。扶養に入れたほうがおそらくセリヌンティウスの身内は安心して結婚させることができるはずだ。多分。
 メロスがセリヌンティウスの嫁になった時のことを考えてみる。
 私の妄想の中では、彼が嫁いびりに合っていた。
「うちのセリヌンティウスを一度は裏切ろうとしたくせに」 
 等、小言を言われていた。ちなみに、「裏切ろうと」の「切」は鼻濁音だ。「うらき゜ろうと」といった具合に。ここは大事である。この言葉を言ったのはお年を召した古い考え方をしたおばさまだ。旦那に尽くし、家を守ってきた。
 ここで、メロスを婿にする必要が出てくる。女は旦那のために尽くすのが当然だと思っているおばさまからメロスを守ることができるのだ。
 結婚の義実家問題はメロセリにすることで少なからず良好に近づくのではないだろうか。ここに関しては私が同性婚をありの世界線としてしまったことで、世界が歪んでしまった。ここは今後の課題としていきたい。

 結論としては私はメロ×セリである。それは私の考えであり、セリヌンティウスとメロスは異性愛者であり、しっかりとその後にどこかの人と結婚する可能性はある。だから、夢女子である彼女たち。妄想の中なら無限大だぞ。何を想像したっていい。

 最後、メロスに裸であることを指摘しているセリちゃん。メロスが裸であることを指摘し、そこにいるお嬢さんに布をもらうよう言った。セリヌンティウス的には幼い頃、自分だけでみていたお風呂でのメロスの姿が公衆の面々にみられたことは屈辱だっただろう。(これは妄想)自分と身内だけしかみたことがなかったはずの裸体だ。赤面するメロスを愛おしく思う心と独占欲でいっぱいだったに違いない。そして一生メロスを自分のものにして誰にも見せないところで過ごすという少し歪んだ愛を向けている可能性を秘めているところがまた愛おしくて好きだ。

 私は本記事でセリ×メロの可能性がないと言っているわけではない。私が美味しいと思ったのがただメロ×セリだったというだけである。
 もしこれを読んだ君が「いーや、さくらがメロ×セリだったとしてもセリ×メロだと思っている!だって〜ってあるじゃん!ここから〜だから〜で〜」ということもあるだろう。ディオニスと結ばれるのも素敵ですわよ!やフィロストラトスとの恋愛もいいのよ〜でもなんでも!それならばぜひコメントしてくれ。気軽にコメントしてくれ。全部読むから。どれだけ長くなったって読むから。君のヲタクを教えてくれ。好きなだけ。いくらでも、話そう。色々な見方を聞きたいのだ。